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僕がエベレストで感じたI Will Not Complainなこと。

2023.10.26

僕がエベレストで感じたI Will Not Complainなこと。

今みんなに伝えたいこと

Hiro

そんな体験からIKUが気づいたこと。そして、改めてこれからみんなに伝えていきたいことってどんなことだろう?

IKU

そうですね。出発前に僕は「ロマン」が大事だという話をさせてもらった。心の中にあるワクワクした気持ちが出発点なんだ、それは経営も同じじゃないだろうかと。そんな僕が今回の冒険を終えて感じることは、やっぱりワクワクだけではなかったということです。最後のベースキャンプまで降りてくるまで、ずっと死と隣り合わせだという感覚があったし、100%ずっとワクワクではないんですよね。

だけれども、やっぱりそこに山があって僕はまた登るわけです。命を危険に晒して、多くの人に迷惑や心配をかけてまで、僕は登るわけです。なぜそうまでして山に向かうのか。それはやっぱりそこに山があって、自分はその山を登りたいからなんです。僕のエゴなんですよ。

実は先日、ガンと闘っている友人が、「ありがとう、勇気をもらえた」とメッセージを送ってくれました。他にもTwitterをみてくれたたくさんの友人知人から声をかけてもらった。僕は僕が登りたいから山に登った。だけれど、そのことが誰かにとって、ちょっとでもエネルギーになったのなら、こんなにうれしいことはありません。ずっと誰かをインスパイアできる人間でありたいと思ってきました。でも、その気持ちさえ僕のエゴなんですよね。

Hiro

なるほど、いまのIKUの言葉には力があるね。

IKU

さっきも言ったように、ほんの数年前まで僕自身も「エベレストなんてとてもムリ」と思っていました。でも、友人のひと言で考え方が変わったわけです。そして、「よくいくぞ!」と決めたら、今度は「どうしたら達成できるか?」を考えるようになった。それからは、きちんと全体像を捉えて、プランを立てていった。じゃあどんな準備をすればいいのか。どんなスキルを身につければいいのか。細分化して、スケジュールを立てて、一つひとつコマを進めていく。

今回、僕自身には「何かすごいことをやった」という感覚はまったくありません。ただ、決めたことを一つひとつこなしていっただけだから。でも周りはすごいすごいと言ってくれる。「え、そんな大したことしてないよ」って、本当にそんな感覚なんです。

下山後、ヘリコプターでカトマンズへ

Hiro

なるほど。それは成し遂げた人だけが言える言葉だね。じゃあ、最後にみんなにメッセージを。

IKU

はい、僕は今回のチャレンジを通じて一つの夢を達成できました。この経験はきっとこれからの人生に生きるはずです。そして、僕のチャレンジはこれからも続きます。一つは仕事を通して出会う人たちをインスパイアすること。そして、もう一つはセブンサミッツ(※3)の達成です。

今回の冒険では、これまで以上に刺激的な体験をたくさんしました。マスクが凍って本当に辛かった登頂間際。酸素がなくなって追い詰められた下山時のキャンプ4。亡くなっている人間の姿も目の前でみました。そんな経験をしたことで、自分の在り方やこれからの生き方を考えるようになりました。答えはまだわかりません。それはこれからの挑戦の中で見つけていきたいと思っています。みなさん、本当にありがとうございました。

※3 セブンサミッツ…7大陸最高峰の登頂を目指すこと。

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