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30代から新経営層を創出していく。グローバルで闘う若きリーダーの育成。

2022.10.12

30代から新経営層を創出していく。グローバルで闘う若きリーダーの育成。

食品メーカー

2013年、現経営陣の一人である彼はB社の未来を語るとき、ふと言葉に詰まった。国内随一の食品加工メーカーであり、独自の商品開発力と生産力を強みに成長を遂げてきたB社。ある意味日本の食品産業の異端児として、数々のイノベーションを積み上げて成長してきたB社が、次の一手を描けなくなっていた。

グローバルリーダーがいない。

昨今の日本企業が直面する課題にB社もまた直面していた。成熟した日本市場での陣取りゲームよりも、海外売上比率を上げていくべき。打ち手は分かっていた。が、担い手がいない。そこで根本的な人材育成の見直しに踏み切った。将来のB社を担うにふさわしい精鋭たちを、現在の従来の職位にとらわれずに各部門から集め、全員を2月の極寒のモンゴルに集結させた。これまでの常識を打ち破った考え方を持ち、時代を創る自覚を持った人材たちが、ゲルで互いに人生観と自己の「軸」について語り合い、フィードバックしあった。改革の土台は築けた。

さらに改革は進む。若手人材の早期重要ポスト登用である。

グローバルにおいては、40代半ばの人材がリージョンの経営統括をするケースが多い中、日系企業は相変わらず「ほぼ上がり」状態となった退職一歩前の重鎮が舵取りをしている。これでは変化スピードの激しい新興国に負ける。実際、海外市場の最高責任者として現地に赴いた人間が、現地で「小日本」を築いている。日本語の使えるマンションに暮らし、社内でも日本語を話し、和食レストランで食事をし、社用車の送り迎えで過ごす。そんな生活エコシステムから一歩も出ようとしない。

10名の次世代リーダーを育成する。

業界他社よりも半歩先を描ける洞察力と、ビジネスの決断力を持ち合わせ、かつ、決めた目標をやり遂げる情熱をもった精鋭を、30代の若手から輩出する。目標は定まった。主事メンバーの選抜スタイルを総入れ替えした。そして、自由な発想と実現力を兼ね備え、真のリーダーシップに必要な「軸」を持った人材輩出を目指した新たなプログラムを開講。半年もの長期間にわたるアクションラーニングにより、内省を繰り返した。30代の新たなリーダーたちが、少しずつ会社を背負う覚悟を持った表情に変わっていく。この人材育成プログラムとグローバルアサインメントが合致して、新しい時代の経営人材が生まれていく。対象は3年で150名。その中から、10名の次世代リーダーを輩出していく。

プログラムがスタートして、わずか3ヶ月。近年なかなか生まれなかった新製品が続々と生まれるようになった。ついに組織の胎動が始まった。