JA

/

EN
JA

/

EN

「シニア社員のセカンドキャリア」を考える共創ミーティングレポート

2025.04.28

「シニア社員のセカンドキャリア」を考える共創ミーティングレポート

シニア社員問題は、制度や仕組みでは解決しない。

ここからは次のセッションに入っていきたいと思います。資料もいろいろ用意してはいますが、要点に絞ってお話ししていきます。

皆さんがそれぞれの企業でさまざまな取り組みをされていることはよく理解できました。ただ、すべてが完璧にできているわけではなく、「ここが足りないよね」とか、「本当のところ、実際はどうなんだろう」と感じながら、何か引っかかるものを持っている方も多いのではないかと思います。

たとえば、シニア社員って「やっぱりスキルがないよね」「なかなか動かないよね」といったこと。あるいは、「そもそも動機づけがうまくいってないよね」「制度はあっても、実際には周囲の反応に気を使って萎縮してしまうよね」など。そうやって人材活用のスパイラルがどんどん落ちていく結果、もっと伸びるはずだった人が伸びないという状況が起きているのかもしれません。

本来であれば、流動性能力(フレキシビリティ)をもつ若手と、結晶性能力(経験や知見)を備えた40〜60代が融合することが、組織としての体力を支えるはずです。しかし実際には、流動性に着目すると「おじさんたちって邪魔だよね」となってしまう。一方で、ベテランを基準にすると、若手はちょっとしたチャンスがあればすぐに外に出ていってしまうので、会社への帰属意識が希薄なように感じる。

こうした背景から、「会社主導で人を動かすこと」には限界があるのではないかと考えています。制度や仕組みの中だけでこの問題を解決するのは簡単なことではありません。

Reignition(再着火)という考え方。

私たちが提言しているのが「Reignite(再着火する)」という考え方です。つまり、少し元気がなくなってきた人たちに、もう一度活力を取り戻すための機会をつくろうというものです。

ただし、これは全社員向けという話ではありません。組織の中には、すでに活躍しているシニア層もいれば、あまりうまくいっていない人もいます。中には手の打ちようがない人もいるでしょう。そうした「全く動かない層「は、正直に言えば、我々が扱うには難しい領域です。

私たちが注目しているのは、「あとひと押しで変わるかもしれない人たち」です。停滞気味だけれども、本当は何かをやりたい、自分の力を発揮したいと思っている人たち。そういう方々に向けた「きっかけづくり「を目指したいと考えています。

「人事が推薦したから受けに行ってきた」ではなく、本当は「本人が自分の意思で手を挙げる」ことが理想です。ただ、そこに勇気が要るのも事実です。

「そろそろ自分もピークを越えたかもしれない」「このまま静かにしていた方がいいかもしれない」と感じながら、モヤモヤを抱えて過ごしている方は少なくありません。でも、その中に、「本当は誰かの役に立ちたい」「何かをもう一度やりたい」という思いが眠っていることも多いのです。

私たちは、そういう思いに再び火を灯せるような仕組みをつくりたいと考えています。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11