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五島列島福江島。
自然の力を借りて、
ものを思う時間。

2023.09.07

五島列島福江島。<br>自然の力を借りて、<br>ものを思う時間。

里山プロジェクト
日本各地の地方コミュニティとのつながりの中で、持続型未来社会のあり方を探ろうというプロジェクト。経営人材をはじめとするビジネスパーソンたちが、里山と呼ばれる自然の中に身を置くことで生まれる気づきやつながりから、新しい循環のカタチを模索する。

五島列島プロジェクト

2022年12月1日〜3日 長崎県五島列島福江島にて

1日目
主に各個人テーマの共有や2日目以降の行動についての対話を実施
2日目
2チームに分かれ現地を探索。各個人テーマに対しての探求、結果・考察を共有
3日目
各個人がテーマに対しての考察結果や3日間の感想等を発表

今回のプログラムで訪問したのは、五島列島最大の島「福江島」。離島ではあるが、内閣府の「特定有人国境離島地域」に設定され、航路運賃・物資輸送・創業・事業拡大・観光振興等への補助金が交付されている。年々、島全体の人口は減少しつつあったが、2022年現在では4年連続でIターン移住者が200人を超え、昨年は男女ともに、人口増加している。

参加されたIWNCtribeのみなさん

自然との対話

コバルトブルーの海と緑の草原。おだやかな波音と潮風。自分も自然の一部だったと思い出させてくれる。この島にはすべてを受け入れてくれるようなやさしい時間が流れていた。ここでは何かに追われることなく、ただ「いま」に居続けることができる。未来を憂うことも、過去を否定する必要もない。日常の固定概念から開放され、あるがままの自分でいることができる場所。人は自らの手で役割をつくり出し、それに縛られて苦しくなる。だからこそ、定期的に本来の自分を取り戻す作業が必要なのではないか。一度立ち止まって、自分自身を見つめ直す時間。今回の旅はそんな機会となった。「私はだいじょうぶ」。ここに来ればきっとそう思える。いつかまた迷ったらまたここに来よう。そう思える場所がまたひとつできた。

滞在した’カラリト五島列島’から海をのぞむ

島の人たちとの対話

島には二種類の人が暮らしている。ひとつは元々この島に暮らしている人たち。そして、もうひとつはこの島にやってきた人たち。前者の一人として「お母さん」と呼ばれる方と出会った。彼女の口癖は「大丈夫、大丈夫、なんとかなるよ」。何かに疲れて島に来る人たちを彼女は迎え入れ、面倒をみる。「こっちに来て住みな、なんとかなるから」。彼女に背中を押され、生きる気力を取り戻した人が何人もいる。グッドニートハウスのコバさんは、後からこの島にやってきた人のひとり。「人との繋がりさえあれば人は死なないんです」。彼のシンプルな言葉が胸を打った。彼に惹きつけられた人がたくさん島にやってくる。「嫌なことをする時間を減らして、楽しいことをする時間を増やしたらいい」。彼の言葉を実践するのは難しい。けれど、この島でならできるような気がしてくる。それはここに暮らす人たちがシンプルでオーセンティックな「足を知る暮らし」を実践しているからに違いない。

グッドニートハウスのコバさんと

参加者との対話

今回のプログラムには、いろいろな業界の方々が参加された。役職や年代もバラバラで、世代や役割の垣根を超えた対話の中から、日常では生まれない気づきを得ることができた。いろんなバックグラウンドを持つ人たちが、それぞれに問いを持ちこみ、役割という束縛を外して向き合い、一人ひとりの言葉に耳を傾ける。「ゆまはどう思うの?」。最年少の若者に上場企業の経営者が自然体で話しかける。こんな会話ができるのもここが日常を離れた空間だから?それともやっぱり五島という島には不思議な時間が流れているから?「怖いと思うものには早めに飛び込んだほうがいい。飛び込んでみないとどうせわからないのだから」。ある経営者の言葉が心に響いた。

世代や役割の垣根のない会話が広がる

まとめ

人は知らず知らずのうちに期待と役割のメカニズムの中に取り込まれて生きている。メリットとデメリット。損得勘定で物事をみることに慣れすぎると、大切なものを見失ってしまう。そんなときは圧倒的な自然の中に身を置くのがいい。自然を前にすれば人は、等身大の自分に戻れる。自分の小ささを実感し、自分も自然の一部にすぎないことを実感する。自然の力を借りることでやっと鎧を脱ぐことができる。そして、素に戻った人間どうしが向き合うとこんなにもクリエイティブな体験が生まれることを実感した。モンゴルで、八ヶ岳で、アフリカで、そして五島で。IWNCがいつも自然の中に向かうのはきっとそんな理由もあるのだろう。

時間が止まったような空間、半泊教会

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