企業経営×健康

7. 経営者、人事担当者の方へ

八木:先生、今日は人事とか経営の人たちが聞いている中で、Hiroが聞いてくれたけど、会社としてもっとできることあるんじゃないかと。先生から、企業を経営している人や人事の人だったら、こういうことちゃんとやりなさいっていう、アドバイスがあれば教えていただきたいです。

須磨先生:社員といっても、若くていきなり心臓病にはならんわなという層から、今度は中間層、そして、これはもう脳も心臓も癌もいつ来ても不思議ではないという高齢層、そこをちゃんと把握して、それに応じた健診のメニューと場所をいつもチェックしておくということです。僕らが、この病気だったらあの先生が今はベストだというのを毎年毎年見ているのと同じように、やっぱり会社でそういうケアを担当される方たちも、1回決めたらそこ一点張りじゃなくて、そこのクオリティがどうなのか、他はどうなのか、新しくできたところはどう違うのかっていうのを見ながら、自分も体験してみて、今だったらここがいいですという、1歩踏み込んだリスティングをされるべきだと思います。

八木:今、会社が負担している健康保険は人件費の5%ぐらいなんです。結構な金額です。しかも、たぶんこれから高齢化が進んでいくと、この比率はおそらく上がっていく。会社としてはものすごいお金を実は健康にかけているんです。でも、そのかけているお金をもっと効率的に使う、本当に病気にならないように予防していく、人事の人たちもそういう体制づくりを真剣に考えたほうが良さそうだと今日強く思いました。

須磨先生:人事を担当なさっている方自身、そしてその家族にとっても我が身の話ですから。だからやっぱり、それぞれの健診をやる施設のクオリティチェックを我が身のことだと思って見ておけば、良い悪いが分かってきて、それを社員にフィードバックできる、簡単にできる話だと思います。

八木:そうですよね。今家族のお話をされましたけれど、実は私の向こう側にうちの社員がおるんですけど、先ほどの手術を見て、泣いているんです、ここで。あの画像を見て泣いてるんです、うちの社員が。僕はやっぱりああいう画像を、子どもたちが見て、自分のお父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、お母さんが病気になるかもしれないって、これは強烈なメッセージだと思います。やっぱり家族も含めて、ああいう現実を見せなきゃいけないなって本当に思いました。

須磨先生:だから、今日のタイトルを「タッチ・ユア・ハート」にしたんです。

八木:そうですよね。

須磨先生:要するに、人と人とが出会って、心が触れ合って、そこから人間関係が始まるわけだし、僕は心臓外科医としてその人の心臓にタッチしたという部分はあるけれども、世界中まわっていろんな人と出会って、心の触れ合いを感じて、医者として出会う患者さんをなんとか助けてあげたい、この人にとってベストの手術は何なんだと、それを最高のレベルで仕上げるために自分は何をしないといけないのか、そればかり考えて30年間生きてきたわけです。今その思いはまったく一緒で健診をやっているわけですけれども、やっぱり「タッチ・ユア・ハート」だと思います、会社の、特に人事をやっている方は。

八木:須磨先生みたいに本当にハートを持ちながら、本当にハートにタッチして、それを30年以上も続けていらっしゃる。先進的な医師でありながら、もっと更に広げていこうと活動していらっしゃる。先生って、お医者さんの中では突然変異なんですか?

須磨先生:よく言われます。

八木:先生のような先生がもっと育つために、どうしていけばいいんでしょう。

須磨先生:突然変異に聞かないでください(笑)。

八木:人材の育成を仕事にしている我々なので、どうやったらこういう思いのある先生が育つのか。IWNCでやっているのは、思いを持ったリーダーを育てることなので、先生の人を救いたい、不幸になる人を減らしたいんだというその思いは、分野は違うけれども、ものすごく勝手に共感させていただきました。

Hiro:最後に八木さんに聞きたいんですけど、やっぱりリーダーは健康でないと駄目ですよね。

八木:そう思います。今日すごく感じたのは、心臓のドクターとして人の命を救うということと、会社のリーダーとして会社の命を救うというのは、ものすごく似ているということです。そして、今日出てきた、90分なんだ、この90分、これをやらなきゃいかん、このスピードなんだと。今の会社がかかっている病気、日本の会社の今のポテンシャルからすると、僕は全然仕事ができていないと思う。この状態を直して、世界の役に立つような会社にしていくんだったら、スピード感を持って、先生の場合は心臓ですけど、僕の場合は会社を直せよっていうふうに思いました。

Hiro:なるほど。

八木:今日のテーマとは違うけれども、ビジネスの人たちは今日の先生のこの姿を見て、やっぱり自分たちは間に合ううちに会社を救わなくちゃいけないんだ、会社のドクターとして、とにかく早く行動しようぜということを言いたい。先生のことを先ほど突然変異と言いましたけれども、我々自身が突然変異になることを意識してやっていきたいと、強く思いました。

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